自己破産せずに済んだかもしれない人生

最近、ちょっときっかけがあって、自己破産経験者の書いた本を読みました。

「みなさんにお知らせします。私は自己破産(リフレッシュ・スタート)しました」
安藤一平 著 本の泉社

という本です。

この人は慶応大学を出ていて、元は銀行マンだったのですが、家業を継ぎ、それを潰してしまって自己破産しています。

はじめの方に出ているのですが、この人の負債総額は800万円で後から計算すると過払い金等が794万円あったそうです。

もし最初に利息の引き直し計算をして過払い金返還請求をしていれば、借金はわずか6万円。

自己破産どころか債務整理そのものが必要なかった、ということになります。

この人は借金がほとんどないのに自己破産して多くのものを失ったのです。

薄い本なのに何度も何度も「自己破産は後悔していない。感謝している。」というフレーズが出てきますが、それがそのまま悔やんでも悔やみきれない気持ちを表現しています。

いつ自己破産したのかわかりませんが、3会統一基準など、債務整理の定石が整理されていない時期に、不慣れな弁護士に頼んでしまったのでしょう。

今日では、まず利息の引き直し計算を真っ先にするのが定石で、任意整理か、個人再生か、自己破産かはその後の話です。

借金苦に陥ってからは本もたくさん読んで研究したというし、慶応を出ていて賢いわけだし、銀行にいたのだから人脈を通じて調べようもあったのでは、という気がしますが、とにかくこの方は自己破産をしてしまいました。

自己破産したら人生の終わり…ではなく、免責を得て借金が帳消しになって、その後の収入は全部自分のものになってリフレッシュスタートが切れるのは事実です。

とはいえ、10年にわたりローンもクレジットカードもダメというのは大きな制約になります。

借金に苦しんでいる人は、知識の足りない弁護士の勧めに従って安易に自己破産せず、まずはもっとダメージの少ない方法を探ってほしいですね。

自己破産せずに済んだかもしれない方法